ご臨終です


 ーーー臨終のときに自分が横たわっている姿を上から見ていた。 医者
が自分の身体に触って、 「ご臨終です」 といっている。 まわりの家族
が泣きだす。 「オレはまだ生きている。 何を泣くんだ」 といっているうち
に気がついたーーー・
 こういう例はいくらでもあります。 このことは科学的には証明できませ
んがその数の多さを考えると、一慨に否定できるものではありません。
 
 じつは、私の知り合いにも臨死体験をした人がいます。 彼は夜中に自
宅で心臓発作を起こして倒れました。 奥さんが救急車を呼んで病院に担
ぎ込まれたあと、心臓が止まってしまった。 そこで電気ショックを与えたと
ころ、三回目ぐらいで蘇生したそうです。
 翌朝、知らせを聞いた私は病院に見舞いに行きました。 本人の意識は
はっきりしていて、大事に至らなかったことがわかりました。 「たいへんだ
ったね」 といいましたら、自分の臨死体験を話してくれました。

 家で気分が悪くなって倒れ、救急車に乗せられ、病院まで運ばれたこと、
心臓が止まったこと、集中治療室で心臓が動かないと、医者と看護婦が
あわてていることを覚えているというのです。 とくにおもしろいのは次のよ
うな話でした。
 ---最初は苦しかったけれども、そのうちに気分がよくなり、気がつい
たtら、花園のなかを歩いていた。 向こうからあなたがやってきて 「お前
は何をしているんだ」 といった。 ハッと気がついたときに、電気ショックで
心臓が動き出したーーー。

 それはリアルな体験だった。 と彼はいっていました。
 心臓発作で倒れ、心臓が止まり、一般的にいえば意識がなくなった。 そ
れでも、当時のことを覚えている。これが、肉体とは別に意識体があっても
おかしくないと私が思う一つの理由です。
 
 これだけではありません。 たとえば、現代医学で催眠療法という手法が
使われています。患者に催眠療法をかけて、自然治癒力を増したり、痛み
をやわらげたり、免疫力を高めるのです。

 この治療法のなかに 「退行催眠」 といって催眠状態で意識を過去へさ
かのぼるらせていく。 一種の心理療法があります。 その例を見ますと、
生まれてくるときに母親のお腹のなかから産道を抜けて出てくる状態まで、
意識を戻し、苦しかった感覚を表現させたりしています。 さらには、生が
宿る前、つまり過去世までをさかのぼらせるという実験も行なわれています。
 そのことを記した本によると、催眠のなかで明らかに過去世を思いだして
いる事例がでてきます。
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